ノストラダムス(その弐)

仏王室には公的愛妾の伝統があったため、歴代の王は数多くの貴婦人たちを気ままに寝室に誘いこんだかの如き先入観を抱きがちになるが、実際は数え切れないほどという例は少ない。

たとえば太陽王と呼ばれ絶対王政の見本みたいな扱いのルイ14世は、昭和天皇をも凌駕する70年以上在位期間を持つ人だが、生涯を彩る愛妾は3人だけである。しかも3人目のマントノン夫人とはスペインハプスグルグ家出身の王妃マリテレーズの死後、側近のみ出席とは言え結婚式をあげているぐらいだから3人目の愛人というより王妃と言っていい。

それぞれの王の性格も反映されることではあるが、アンリ2世の愛人ディアンヌ・ドゥ・ポワティエは歴代の有名な愛妾のなかでも特に愛人とか愛妾という言葉が不似合いな人物である。
有名な槍試合の負傷で死の床にあったときもアンリ二世はディアンヌを呼びつづけていたそうだから、まさに死によって別たれるまで愛しつづけていたわけだ。少年時代から数えれば30年以上。むしろアンリ2世は生涯にわたってひとりの女性だけを愛しつづけた稀有な(幸福な?)人だったとも思える。

さてディアンヌがアンリの養育係になった三年後、当時まだ兄のフランソワが健在だったため王太子ではなく第2王子にすぎなかったアンリのもとにフィレンツェのメディチ家から同じ14歳の少女が嫁に来ることになった。当然の如く父フランソワ1世がメディチ家の財力に期待しての政略結婚。
この少女が後にヴァロア朝最後の三人の王フランソワ2世、シャルル9世、アンリ3世の母となるカトリーヌ・ドゥ・メディシスである。

(つづく)

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