葉月のスキズキ

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zoom RSS 今年の十大ニュース(後編)

<<   作成日時 : 2007/12/30 09:48   >>

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(承前)

第5位

「葉月のスキズキ」開始

THCのホームページが開設されて、ブログ欄などもあり、なにやら楽しそうなので私もブログで参加させてもらおうと思ったのが「葉月のスキズキ」の始まり。やはり「おじさん」でも「若者」でも「俳句」でもなく、「楽しそう」がTHCのキーワードだと思う。
始めて最初の4ヶ月ほど毎日更新を続けていたときは自分なりにはかなり緊張感があった。
今読み返してみると、書評的なものはボロボロだが、ときたま日記ともエッセイともフィクションともとれないブログならではと云った感じのエントリがありそれなりに面白い。自分自身で何を言っているんだかではあるが、そこは私の個性なので。
実際にどうなるかわからないけど、THCには期間限定俳句ユニットというような印象が私にはあるので(思い込みとも言うか?)、「葉月のスキズキ」も一年くらいやるかなと漠然と思っていたわけだが一体どうなるのだろう。自分でもよくわからない。
唐突に「きれいな女子学生と句会をするばかりが人としての幸せではない」と自戒をこめて言っておきたい。

私事になったのでついでに言えば「ソフトマシーン」法人登記はやはり私にとって一大ニュースでした。あるときはフリータあるときは失業者あるときは俳人あるときは休学中の学生あるときは家事手伝いあるときは専門学校生とキューティーハニー並の七変化の葉月さんもついにホリエモンもびっくり(たぶん驚きません)のIT企業の社長さんである。とは言ってもこの関連では今後特に変ったことは起きない予定。


第四位

Bach Collegium Japan


今年はJ.S.Bach「ロ短調ミサ曲」のCDで主な賞を総なめ(総受けではない)にした感のあるBCJ。
行ってきました。Handel「メサイヤ」@調布グリーンホール
映画館にほとんど行かず、DVDレンタルすら稀で大抵のものはYouTubeで済ましてしまうような昨今の私にとってはクラシックのコンサートというのは思いっきりお出かけ状態とも言える出来事でした。

鈴木雅明自身のプレトークによると彼は三十年来調布市の住人であるそうだ。
同じように野川の岸辺で夕涼みするにしても三鷹市民の綾波だと危険な感じがするのに調布市民のゲゲゲの鬼太郎だと妙な安心感があるのは何故だろうというようなことを考えながら演奏を聞いていたら、あまりの心地よさに眠ってしまいました。クラシックのコンサートで眠ったのは生まれて初めて。本当に美しい演奏だった。

第三位

Sara句会

今やすっかり体調を崩してしまいほとんど引退状態とは言え、今年前半はどうかと思うくらいあちこちの句会にお邪魔した。
そんな中でもっとも印象的だったのはSara句会。

THCの句会などで「俳句の未来」を垣間見ることが出来るかといえばどちらかというと何か別のものが垣間見えたりするわけだが、Sara句会は今日の俳句状況と今後の傾向が不思議と窺えるような感覚(錯覚?)に陥る。
結社句会なのでいわば先生のコントロール下にあるが同時にかなりオープンな空間である。人数も微増の傾向にあるとは言えほどよい緊張感が保たれる程度の参加者。

ある意味当然の成り行きなのかもしれないが、どんなに冴えた俳句を提出しても「たじまさんならもっといい句が」というような反応を常に導き出してしまう田島健一の個性をSara句会も背負っているかのように思える。


第二位

“文学少女”と慟哭の巡礼者


だいぶ前からの傾向なのかもしれないが、およそミステリ分野では凝り過ぎと言ってもいいような技巧的な作品が目立つようになった。メタフィクション的な技巧に走っているものもあれば本題から意図的に逸脱して極端に衒学的な方向に突っ走るようなものとか、いくつかの傾向はあるものの、マニエリスムとかバロックとか呼んでもかまわない様相なのかも。

ライトノベルというカテゴリは書店の本棚の問題なので(太宰治『人間失格』の表紙を小畑健が描けばライトノベルだと云えるように、あるいは70年代だったら『涼宮ハルヒの憂鬱』もSFの棚に並んでいたであろうように)突き詰めて考える必要もないが、大雑把に娯楽小説と思えば、様式を楽しむ態度も当然入り込んでくる。やはりミステリなどで顕著な読者と作者の間にある暗黙のルールもしくは共犯関係のようなもの。
昨今のライトノベルでの例を引けば、「こんなわかりやすいツンデレはさすがに実際にはいないよな」というような楽しみ方というか距離感を読者に強要しつつ主人公だけはツンデレに気付いていないという約束事のことなど思い出していただきたい。

このシリーズは下敷きにしている先行作品をなぞる形でミステリが展開するという極めてメタフィクショナルな構造を持っているわけだけど、偶然によらず何度もそのパターンを可能にしているのは探偵役に「事件を解決するのではなく事件を空想する」“文学少女”という装置が配置されているためである。実に凝った小説。
第三作で武者小路実篤『友情』を基にした劇中劇の際中、遠子先輩が謎解きを始める超絶的な場面にはすっかり感心してしまった。第四作では『椿姫』『オペラ座の怪人』。
そしてこの第五作『“文学少女”と慟哭の巡礼者』では、なんと宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を下敷きにしている。すごい。ここまでくると荒俣宏の「三島由紀夫を主人公に据えた伝奇小説」と同じような爽快感がある。
しかも内容は「ツンデレVSヤンデレ」というサブタイトルが付いてもおかしくないぐらいのもの。返す返すもすごい。ごく普通の読者にもわかりやすいような形で技巧的だが、同時にかなり深い部分でもたぶん極めてテクニカルである。一昔前、『火車』が直木賞を取り損ねて読書界が騒然となって注目を浴びた宮部みゆきが「当代随一のストーリーテラー」と呼ばれていたのと似たようなインパクトを現在の野村美月には感じる。

シリーズを通してこんなにもつれてしまった人間関係をどうするのだろうと思うことがしばしばあったが、第五作でもそれは顕著で、ここまで最悪の人間関係をある程度の平衡状態にもっていく手腕は並ではない。やはり女性作家ならではでの腕力というか握力のようなものも感じるけど。
特に胸がペッタンコなくせに何かと母性的な遠子先輩のところに心葉くんが逃げ込まないのに感心してしまう。

どうやら次巻でこのシリーズは終わってしまうらしい。人気作だからってだらだら続けられるのは迷惑だけど、この場合さすがに名残惜しいです。



第一位

電脳コイル


いつも律儀にこのブログを読んでくれている人にとっては予想がついたことと思われますが、今年の葉月的第一位は『電脳コイル』です。

これくらいの問題作ともなれば、普通、賛否両論入り乱れたりするものだが、この作品の場合聞こえてくるのは「賛」ばかり。要するにまだ多くの視聴者に知られていないということなのだろう。断続的ではあるがほぼ毎週土曜日18時半からNHK教育TVで再放送放映中なので、未見の方は是非見てください。
そういえば作品全体の主題が「心の痛みを感じる方向に真実があり、人はそれと向き合わなければいけない」という「教育的な」ところに落ち着いたのは教育TVなので当然なのだが意外に感じた。

それにしても半年の放映期間、作画の乱れがなかったのはすごかった。いったいどんな魔法を使ったのだろう。誰もが触れることなので気が引けるけど、やはり走り回る子供たちの身体や服の動きが実に見事だ。半世紀に及ぶ(栄光の?)日本のTVアニメ史上でヤサコとイサコは最も丁寧に作画されたヒロインだと思う。

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今年の十大ニュース(前編)
歳末ともなると、ブログなどやる人は今年の十大ニュースというようなものを列挙したりする習慣があるらしい。 ...続きを見る
葉月のスキズキ
2007/12/30 09:50
近況について
しばらく更新サボってしまいすいません。 ...続きを見る
☆ミスログ☆
2008/01/17 23:00

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